むかしむかしの大昔のお話。
それはまだ日本が江戸の時代よりさらに昔の大昔。
ある村におじいさんとおばあさんがいたそうな。
村人からはたいそう仲の良い夫婦で通っていたそうな。
おじいさんは田畑の仕事を終え、おばあさんは夕餉の支度をすませ二人でのんびりしている時間のことだった。
山の方から馬が走ってくる音が聞こえたそうな
ぱかぱかぱか
ぱかぱかぱか
小さな村だったため、移動手段や輸送手段に馬が村に来ることは本当に稀だったのでおじいさんとおばあさんはなにごとかとたいそう慌てたそうな。
馬の足音が止まり、大きな声が村中に響き渡った。
「たろべえはおらんか」
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